*****

「それでね……」

仄かに漂うミントの香り。
隣に座る柚花が温泉の脱衣所でブレスケア用の洗口液を使ったのだろう。
何故そんなものを使ったのかは考えないようにし柚花との会話を楽しみながらも今は車の運転に集中する。


……岩の向こうから柚花と鈴沢くんが戻ってきた後は彼らと挨拶を交わし解散となった。
その際、新堂さんと連絡先を交換したが実際に会う約束をするかは今はわからない。
あの温泉での出来事は私と柚花の運命を変えてしまうのか?
新堂さん達との出逢いの先に待つのは幸福なのか?
それとも破滅なのだろうか?
取り敢えず今日の宿を探しながら走る車内は、混沌とした1日の出来事が夢だったのではと思えるくらい落ち着いた空気に満ちておりどうしても様々な思いが巡ってしまう。
それは柚花も同じなのか2人で取り留めの無い会話を交わしながらも意識の片隅では今日の出来事を消化している様だった。

「あのね……」

先ほどまでの雑談ではなく、一つ声のトーンを下げて話し始める柚花。
今日の出来事を自分なりに消化したことで未来へと思考が向いていく。

「私は……このままでいいのかな?」

「と言うと?」

「たぶんハルくんも気付いてるとは思うけど最後の冒険とか普通のカップルはしない事だよね」

やはり不安を感じていた柚花。
隠し事はしたくないと冒険を含め私の目が届かなかった時の事やその時の感情を素直に話し始める。

「それでね……ハルくんはこんな私を嫌いにならない?」

「何で嫌いになるの?」

「だってその時の感情に流されて越えてはならない一線を越えちゃうんだよ」

「それを言うなら俺も同罪だよ。
いつだって柚花の側に居たし止めることも出来たんだから。
もしかしたら、わかってて止めない俺の方が罪は重いかも。
だって柚花をこんな気持ちにさせてるんだから」

「それはないよ。私はハルくんの側に居れば幸せだしハルくんに守られてるから。
本当はわかってるの。
不安なことは何もなくてハルくんも私と同じ考えだって事は」

「うん」

「でもね、たまに不安になるんだ。
思いは十分に伝わってるけど言葉で確認したくなるの。
こんな私だけど好きでいてくれるのかな?って」

「その柚花や「まなか」もすべて俺は大好きだよ」

「ありがとー。
もっともっとハルくんを嫉妬させても好きでいてくれる?」

「もちろん」

「もしかしたらハルくんしか知らないわたしのここが他の男の人を受け入れちゃうかもよ?」

柚花が手を添えたのはお腹よりもしたの方。
そこが意味するところは私も十分に理解している。
だから……

「大丈夫。その時もきっと俺は嫉妬で狂いながらも柚花を止めることが出来ないから。
逆にそんな彼氏で柚花はいいの?」

「うふふ♪ どうしよっかな~?
なんて嘘。私はハルくんに包まれてる限り何があっても幸せだよ♪」

そう言って柚花がちょこんと私に頭をくっ付けてきた。
もちろん運転の邪魔にならない程度に。

「あ~。安心したらお腹が空いてきちゃった。
まだ夕飯を食べてないもんね」

「そっか、忘れてた。何処かその辺のお店に入る?」

「ん~。そうだなー。
安心したらもう一つ思い出しちゃったからなー」

「何を思い出したの?」

「私ね、媚薬を使ってたの。
温泉では色々ありすぎて気付けなかったけど何だかこの辺がじんじんするんだよね。顔もポカポカしてるし」

柚花が手を添えたのは先ほどと同じお腹の下あたり。
温泉では興奮の他に緊張や不安もあったため自覚出来なかったのだろうが落ち着いた今になって身体の変化に気付いたらしい。

「だからコンビニでご飯を買ってホテルでゆっくりしたいかな。
あ、お酒とデザートも欲しい♪」

媚薬が効いてる柚花がゆっくりは出来ないと思いつつも愛しのお嬢様が小悪魔に変身するのを恐れる私は笑顔で車を走らせた。



*****

「あああっ!! ダメェッ。奥が……奥が壊れる~!」

ここはコンビニで買い物を済ませた後に見付けたラブホテルの一室。
ベッドの前に置かれたテレビでは犯されている楠木葵の姿が映し出されている。

「もぉっ! もう逝くからっ! 逝っちゃうよ……あっ! ダメ……いぐぅっ……」

部屋に響く女性の声は快楽に満ち本能の感じるままに言葉を発している。

「イヤ。今逝ったはっかりだから。ダメ……そんなにしたらまた……」

切羽詰まった声は声量を抑える事が出来ず感情のまま響いてしまう。

「はぐぅぅっ! 壊れちゃぅ……頭がおかしくなるから……ダメダメ……本当に……ぁぁ……あああっ! また逝く……イクイク…………んはぅっ!!」

これ程あえぎ声を出すのはAVくらいと私は思っていた。
そう。テレビの中で犯されている楠木葵の様に。

だが今は…………テレビの音量をミュートにしている。
テレビから流れているのは映像だけで音は一切出ていない。

「はぁ、はぁ、あぁぁ……そんなに奥をグリグリしたら……ぁぁ……また逝っちゃうんだからね……ほら来そうだよ…………い、いぐっ……んん!」

だからこの部屋に響く声の主は私の柚花。
普段はここまで乱れない柚花が極度の興奮で壊れている。

「ああ……んぐ……かはっ……だからそこはダメだってば……本当に壊れるから…………あぐぐっ、逝っちゃうっ!」

もう何度絶頂に達しているのかわからない。
これが媚薬の効果なのか?
数回腰を打ち付ければ簡単に逝ってしまう。
意識しなくても膣の最奥に届いてしまう。

まるで人形の様に身体から力が抜け、そうかと思うと逝く直前には身体に力が入りガクガクと心配になる程の痙攣を見せる。
2人の結合部は汗と愛液の混ざる液体でグショグショに濡れ、腰が離れる度に粘度の高い糸を引いていた。

「ぁぁぁ…………もう、許して…………変になっちゃぅ…………」

あまりの絶頂の連続に身体の反応が鈍くなる柚花。
流石に可哀想と腰の動きを浅くし労るように速さも落とす。

「そ、そんなにゆっくり動いたら……ぁぁ、ハルくんの形が生々しくて……興奮が昂っちゃう」

絶頂の余韻の中をトロンと瞳を潤ませて漂う柚花。
ゆっくりな動きは身体への負荷は減るものの出し入れさせる感覚に興奮が蓄積され続けてしまう。

「ハルくんに抱かれているのが実感できてこれも好きかも」

正常位でゆっくりと。
互いの目を見詰め合いながら浅く深く。
時間をかけて私も楽しむ。
膣中の至るところを刺激する様に。
入れる角度を調整し未開拓の場所を探すように。

「はぁぁ……ぁぁ……激しいだけじゃなくて、これも幸せでいいね…………待って…………あっあっ……ちょっとストップ!」

トロトロに溶けていた柚花の表情に緊張が走る。
驚く私は途中まで入れた腰の動きを咄嗟に止めた。

「あっ、それもダメかも…………それ以上刺激しないようにゆっくり抜いて」

柚花の緊張した雰囲気に私も自然と従ってしまう。
抜いた際に「あん♪」と悦びの顔を見せた柚花は私の腕を取り立ち上がろうとした。

「キャッ!」

「おっと」

立ち上がろうとするも力なく崩れる柚花を抱きかかえる。

「エヘヘ。逝き過ぎて足に力が入らないや」

「どうしたの? トイレ?」

「ううん。違うの。このままバスルームに連れていって♪」

突然ストップした上でバスルームに行こうとする柚花。
まさかここで終わりなのかと思いながらも身体を支えながらご希望の場所へと連れていく。

「ありがとー。壁があるからここで大丈夫かな?」

バスルームに入ったところで柚花が私から身体を離した。
そして向かい合う様に壁へ上半身を預けてしまう。

壁から1歩離れているものの、ほぼ壁に身体を寄せて私へお尻を向ける柚花。
そのぷりッとした可愛らしい曲線に私の興奮が再び昂り始める。

「んーと。このまま入れてみて」

「後ろから?」

これで終わりではなく柚花からのおねだり。
バスルームに移動した意図がわからず立ち尽くしてしまう。

「うん。さっきストップしたくらいの深さで、壁で私を挟んで押し潰すように。
乱暴にしても大丈夫だから」

言われるまま柚花の背中にピッタリと体を寄せる。
お尻を少し突き出しているもののほぼ直立状態の柚花は本当に私と壁に挟まれている。
小さな柚花と私との身長差で始めは入れづらいかと思われたが、目一杯につま先立ちなった柚花はいきり立つ私の陰茎に手を添えると自ら入り口へと導いてくれた。

「ぁぁぁ……入って……きたよ……」

先ほど止められた時の事を思い出しながら腰を進める。
下から突き上げると奥まで入ってしまうため真っ直ぐ前に突き出すように。
膣奥ではなく途中の壁を抉るように。

「これって私……犯されてる……みたい」

それは私も思った事だった。
私と壁に挟まれて身動きの取れない柚花。
その膣穴に向けて私は欲望を叩き付ける。
意識して腰を前に突き出すためまさに柚花を押し潰している。

「あっあっ……やっぱりこれは……んんぐっ……まずいやつだ」

押し潰す行為が私の破壊的な衝動を呼び起こし動きも徐々に暴力的になっていく。

「そこっ! んんんっ……あっあっあっ……」

深く入れずに前へ突き出すように。
お尻を潰すよう腰を叩き付けると私の陰茎も膣壁の上の方を抉り潰す。

「あっあっ……ああっ! 激しい……スゴイ…………あっ、出ちゃう……出ちゃうのぉっ!」

びくびくと震え出す柚花の身体。
快楽を往なそうと身を捩ろうとするも私と壁に挟まれて逃げられない。

そして……

「あああっ! 出ちゃうっ! 見ないで~!」

ひときわ大きな声をあげた時だった。
びくんっと柚花の身体が大きく跳ね刺さっていた私の陰茎が抜けてしまう。
しかしそれにより下腹部の圧迫が緩んだのか……


ブシャ、ブシュ~。


解放された下腹部から勢い良く潮が放たれる。
これ迄も少し出たことはあったがこれ程の勢いで吹いたのは今回が初めて。

「あぁぁ~。出ちゃったよぉ……」

抜けた事で私も気が緩み支えを失った柚花の身体が崩れそうになる。
何とか崩れきる前に柚花の腰へ手を回した私は突き出されたお尻に向けて陰茎を突き立てた。

「ぃやん……だから連続は…………えっ?」

柚花の言葉が終わる前に柚花の上半身を持ち上げて再び壁との間で押し潰す。

「待ってっ待って。それはダメだってば……また出ちゃうでしょ」

快楽よりも焦りの方が勝っている。
しかしそんな柚花を無視し私は乱暴に腰を打ち付けた。

「出る出る、いや~」

ブシュッ~。

「はぁはぁ……もう酷いよぉ…………待って、出ちゃったんだから……ね……あっあっんぐっ……出ちゃう出ちゃうってば……んん……いっぐぅ!」

ブシュッ。

「はわわ、もう立ってられない……これ以上は逝けないよぉ」

今度こそペタリと床にお尻を着いてしまった柚花。
自ら吹いた潮の上で動けなくなっていた。


***

「ふふん♪ ふんふふん♪」

私に汚れた身体を洗ってもらう柚花がご機嫌に鼻歌を口ずさんでいる。
「次はハルくんね」と言う柚花に笑顔を向けながら身体の隅から隅まで。
肩から足の先まで。
前もそして後ろも……

「ま、待って、そこは大丈夫だよ」

私の意図に気付き焦り始める柚花。
無言のままの私は休むことなく手を動かし続ける。

「そっちはダメ……指を入れるところじゃ……きゃぅっ」

柚花のお尻の穴に指先がめり込んだところで柚花が悲鳴をあげてしまった。
これ以上は本気で怒られてしまうので大人しく手を引っ込める。

「むぅっ! そこはエッチをするところじゃないよ」

「でも今日約束したでしょ?」

「…………そう言えば……そうだった」

「それとも柚花が中に望むのはこっちじゃなかった?
それとも初めては新堂さんにあげたいの?」

「そんな中でなんて。それにハルくん以外の人が初めなんて嫌だよ」

「ん? 初めてじゃなければいいの?」

「むぅっ! そんなイジワル言わないで。
それに連絡先は交換したけどまた会うとは限らないし」

可愛く唇を尖らし、いじけて見せる柚花。
約束の事を思い出して戸惑っている。

「それなら大丈夫なのかな?
もし会うことになっちゃったら中で受け止める事になるけど」

「…………それならお尻を練習する。
そして初めてはハルくんにあげる……から」

流石にお尻は恥ずかしいのか顔を羞恥に染めた柚花が私に抱き付いてきた。
だから…………

「きゃっ! あぅっ……あ、あ……逝く逝く逝く……はぐぅっ!」

素早く柚花を抱き上げて対面座位で突き上げる。
身体が逝き慣れしている柚花は軽く腰を動かすだけで簡単に逝ってしまった。


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